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平田栄一求道俳句1989年全作品  

1989年12月

言葉なく交わる夜のなにげない雨音

花のない夕暮れ暑く黙りがちな心持つ

嘘つけぬ唇にうすくさした紅

1989.11

世に問う理想あり青年ひたすら数式解く

不可解な世に首傾げて死んでいるカラス

吹かれる度止まり直す蝶の一途な生

骨壷いっぱいになって気丈だった亡母

交わりの後の無口な時間の遠く雷鳴を聞く

言った言葉に嘘はない蝉しきりに鳴く

1989.10

落葉がうるさい程舞い病押して勤めに出る朝

父亡くした生徒(こ)が穏やかに語る未来の夢

病む顔火照りどこかで乳飲み子の泣く声

渋滞の尾灯に連なり少し無理した今日の仕事

花びら指で摘んでプラトニックな少女の恋

1989.09

反古にしたい一日の更けて硬い爪切る

微熱ある視線にもの憂い都会の煤けた夕日

出世望まぬ妻に今朝咲いた花の名を問う

秋立つか椅子に引っ掛けた妻のスリップ

1989.08

とりどりの花咲き継ぐ街にサーカスが来ている

恋に恋した頃もあった洗い晒しのTシャツ

黙々と編み棒動かす横顔の妙に他人めく夜

平行線をたどる話の紫煙のゆるやかにのぼる

沈みゆく心を刻デジタルの青い点滅

わずかの酒に酔うて夢語る妻との週末

1989.07

他人事と割り切れぬ長い影引きずっている

春夜のとりとめもない話に食卓の花匂う

妻に憎しみ持つ夜の冷たい足

丸文字几帳面に並べる無口な青春の独白

ハンドル切ったまま雨に濡れてる三輪車

1989.06

妻子のいない休日の募金丁寧に断わる

酔った女の愚痴黙って聞いている猫背な影

春の陽地にあまねく心にとげのない一日

仕事にかまけた一日振り返り今年暖冬

参観日の手高く挙がり交通標語正しく言う

1989.05

茶を入れればどちらともなく恋人に返る冬夜

喪中の悲しい乳房まさぐる寒い夜

数珠つなぎの車横目にちんどん屋が通る

いさかえば妻に味方する子と男同士の約束

性別不明の手袋がはりついている雨の車道

1989.04

不眠の頭を通り過ぎる色のない羊

点滴はずされた母と妻だけの白い部屋

散らばった一日を日記に収めとにかく閉じる

こだわりを捨てたい青春の暴走夕焼け真紅

1989.01

夕陽の絡まる足元から秋色に染まり

煎り豆掌に転がして飲む酒の心に妬み持つ

一生をかけるものがないが口癖の男の長い影

予定のない一日小さな仕事終えて降り続く雨
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