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平田栄一求道俳句1992年全作品  

1992年12月

発狂寸前夕日が落ちた

1992.11

人影北へ伸び対称形が崩れていく

どこまで続く0を、塗り潰して朝

落日の南風 星をねんごろに抱く

ぐるぐる巻きの包帯オブジェ朝を待つ

散文的朝、韻文的夜

1992.10

墓穴に毛髪ひかる教皇無謬説

投下時刻 風鈴じっと耐えている

覆面党員に冬 金平は甘く煮る

陣痛遠のく百日紅に長い落日

乳飲み子が遠目に見ている磔刑図

愛しきコトバ積み上げバベルの塔

不随筋ヒキツリ朱イ都会(まち)を往く

剛毛が貼りつく倒立の絵鏡かな

拡散する闇へ螺旋階段昇り詰め

インシュリン注す暗い血管花暦

月 等身の影を踏む

始祖鳥飛ぶ交差点イエス振り向く

1992.09

棺桶のなか目覚し時計鳴り止まず

舌点々地に蒔きゴルゴダの朝無風

酸性雨の街ナデシコばかりが繁茂する

月は朧に吾が遺影を抱く

稲妻射す茶室のこけし金縛り

ネオン反芻し都会が肥えてゆく

墓原にて愛語つぶやく胎教

国人の背信身ぐるみ海に捨て

槌音返す真昼野 神失う

人柱が細る都会(まち)の酸性雨

春夜首つりのコード物色する

家系図を背負(しょ)い祖父(イワン)さすらう

1992.08

比較級 女と五感は埒外に

脳死の血流処女地へ迂回する

列に割り込むトラック演歌にノッテル

人はかならず死ぬもの 指のささくれ気になる

子供預けて出た二人に街の灯艶めく

匿名の主人絶えて鳥孕む

利き耳立ててる街路樹 人間不信

霧に倦む樹海 蝸牛の絶唱

聞かざる耳 都市に息づく

第三惑星絶対0度へ旅立つ

汐の匂い纏うて同胞(はらから)を背負(しょ)う

後向きの暴走ニッポンジン

咽頭痛 ミサイル酸性雲をくぐる

1992.07

短命だった友へ長い弔辞

光年を飛ぶパルス旧約の神は宣うや

逃避行こがらし暗夜を先駆ける

斜径45゜テストペーパー彷徨する

VOL1完結無糖無害のウーロン茶

まがい物つかんで下りた夜のとばり

1992.06

鉄扉の軋み澱んだ時間を醒ます

月 背中で祈る

亡父を語る生徒(こ)の膝に置いたかたい拳

失地回復 股間にボレロ感じつつ

病人の匂い纏うて月うるむ

水無川に捨てた髑髏からリラの花

崖下に譜面漂う静かの海

こがらし闇夜を祈りはじめた

六月のキリストの神遊ぼうよ

流竄の霧積む末法工場地帯

星を呑む闇をおずおず神が抱く

コトバ身篭る聖夜 海黙す

左右空席 夜の逃避行

1992.05

死を生きよとドラセナの木が申します

夜は又ひとつの悪事に手を染める

秋、ボールと月の引力見えてくる

淋しい女の顔が長くなる

やすやすと御言葉の沁む雪しんしん

1992.04

積み上げた書類の山へ晒し首

精子揺籃期 朝のトマトまるかじり

屍にからくりはないサタンの弾痕

荒れ野にて母と女が交錯す

月残るインポテンツな朝です

1992.03

草原にギター捨てられ朝の縊死

なにくれとシンドロームの兆し激辛喰う

結氷期間近 俺 声にならぬ遠吠え

終電コトコト自殺願望遠のく

プチブルな夜の構図テーブルを泳ぐ

サタンのおとがい外れて創世紀

テレビ高笑う日本列島まゆごもり

1992.02

病苦の一生燃えつき骨壷の温もり

バッタ片足捨てて江戸川界隈

さるすべり零れる日輪の危うい位置

跛行カマキリ黄昏の死相つかみ来る

冬台風ビル街にα波混入せり

朝、秒針が撫でる国道のゼブラ

鋭角の時を刻み思想歩み寄り

DINKSやもめ足音静かな住人達

天国泥棒 邪な蛇のマニフェスト

煮こごり震え衣裳哲学体感する

幸福の木から萌え出た継母(はは)の手

隠語伝令する神経ニューロン停止

1992.01

花にかざす手 隣人に怯え

いつも遅れてくる青年昭和去く

黄昏に染まりハムレット終幕

相乗りしませんか 夜は長いのです

自画像笑む アンチークな椅子の脚線美

花崩れ 異人街炎昼

黄昏に置くレモン風台風沖へ去り
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コメント

アッバへの確信

>六月のキリストの神遊ぼうよ  1992.6

「神を呼び・・・・疎ましく・・・・」の初出から6年。
井上神学の学びと句作から、この頃ようやく神を「アッバ」ととらえる確信が持てるようになる。37歳。
この2年後に、最初のエッセイ詩集『今を生きることば』を出すことになる。

余白 #oBO5MkqQ | URL
2006/01/17 10:17 | edit

巻頭句に

>散文的朝、韻文的夜  1992.11

この頃、マガジンハウス『鳩よ!』という月刊誌に、「創句」という欄があって、永六輔さんが選をしていた。
人からすすめられるままに投句して、隔月くらいで採っていただいた。
掲句は、巻頭になったときのもの。
人によっては、「朝」と「夜」は逆かもしれない。。。

余白 #oBO5MkqQ | URL
2006/01/18 16:37 | edit

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