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求道俳句誌「余白の風」第240号  

2019.09.20発行
俳句や短歌をつくりながら、
「南無アッバ」の心を養いましょう。

作品とエッセイ *選評

名古屋・片岡惇子
蛍の火それぞれの傷の詩編かな
葬送の朝アッバ呼ぶ蝉時雨
神の意志の人の不思議や葡萄実る
涸びて天上に命マスカッット
遠雷や主の手の招く舟に乗る
主の平和炎上していく八月

*①「それぞれ」が持っている「傷」が一つの「詩編」になるという発見。苦しみの中にこそ希望をこめるキリスト信仰。②虫や鳥の声は、みなアッバを呼ぶためだったのですね。

練馬・魚住るみ子
裏木戸を押し開け蚊遣りくゆらせて床几に家族(うから)集ひし月よ
雨の日は外出叶はぬ傘と杖南無アッバとてくり返し祈る

*②いつでも、どこでも、祈りだけは自由です。先日、眼科へ行って満席の待合室で一時間、ロザリオを手指を使って祈っていました。不思議と待ち時間が気にならず、診察の不安からも解放される体験をしました。各連の最後に「南無アッバ」の祈りを加えています。

高知・赤松久子
野良猫よ台風(あらし)の昼は何処に居(お)る
濁流の溢れんばかり鏡川
鳥達も姿を隠し時を待つ
台風の過ぎれど雨は降り続く
時として荒ぶる神か大自然
安全なる場に常住し南無アッバ
いかにせむ足を庇はば肩痛む
ヨブを思ひ心なごみて南無アッバ

*今年も何度も猛烈な豪雨や台風が襲ってきました。特に四国・九州の方々にはお見舞い申し上げます。赤松さん、そうした心配や不安の中で次々に求道俳句が浮かんでくる。真剣な祈りのなかでアッバから安らぎが与えられる。

豊田・佐藤淡丘
この道や虫の声聴きとぎれなし
暗がりに迷ひし果ては虫の声
許すことここに覚えし虫しぐれ
水の上「ほ」の字を描く秋蛍
梢には秋蝉といふ毀れ物

秋の虫の声が賑やかになりました。
樹上を思いのたけで鳴いていた蝉たち、その見事な選手交替は、正に神さまの采配としか思えません。
天の聖堂を得た気分です。

*井上洋治神父が遺された大きな宝の一つに、私たち人間は、自然に学び、自然とともに祈るのだ、という教えがあります。
「空を行く雲、小川のせせらぎ、一輪の野の花が捧げる祈りに合わせて,私たちの祈りをあなたの御前で澄んだものとしてください。」
私たちも「天の聖堂」の中でアッバの「采配」=摂理をしっかり受け止め、南無の心で句作=祈りに励みたいと思います。

大阪・島一木
みてごらん 空ゆく鳥を 野の百合を
ソロモンの栄華にまさる白百合よ
数えられている 髪の毛の数までも
行きなさい 葡萄畑で働きなさい
無花果を下りてきなさい ザアカイよ

*聖書をほぼそのまま定型に置き換えた、といえばそうなのですが、私はこういう句は好きです。主観も季語もなくなって、まったく御言葉に南無している。

昭島・新堀邦司
孫からの絵手紙父の日なりけり
父の日のやや辛口のワインかな
あひ会うて点して恋の蛍かな
ほととぎす忍び音洩らす朝ぼらけ
母の日の遺愛の文語聖書かな

*⑤御母堂が遺していった文語聖書。聖書を読む、御言葉を聴くということは、ただ文字面を追って分析することではない。それを発した方、書きとった人、写した人、編集、印刷、販売、贈呈・・・・そして使った人、無数の人たちの心を自分の身の内によみがえらせることなのだ。

真白なる蛍袋の花房は火垂る宿るかと光り咲きいる  東京・山岸孝子

むさぼりて便利なものを追いもとめ生命の海を死の海にする  東京・富山紗和子

チョコレート製の原発震災忌  静岡・十一

*①②カトリック関口教会281号「こみち歌壇」より。
①生きとし生けるものたちの交歓がうれしい。
②人間はその強欲によって繁栄し、結局その同じ強欲によって滅びるのか。
③第2回俳句大学高坂明良特別賞特別作品より。「あまあま」と題した一〇句各々おどけ、諧謔味のなかに、意味深な不気味さ、人間への警鐘を感じさせる作品です。<三月の甘納豆のうふふふふ 坪内稔典>を思い出しました。

【新刊】『星屑のアダム』自解  蓮田・平田栄一

ヨブ記繙く雨上がりに残る雷鳴
一歩譲る度猫背になってゆく
冬晴れをゆるり歩めるイエスかな

*①②自由律初期、一九八六~七年の作。
①神義論という言葉を知らずに、ただキリスト教の神が唯一絶対善・愛の方なら、なぜ世の中に悪が存在するのかなど、頭でっかちにあれこれ考えていた。
②もともと猫背の私がますます猫背になる。
③二〇一一年の作。したがって、①②とは四半世紀の時間経過がある。
リスボン大地震(一七五五年)のとき神義論が浮上したように、現代の私たちもこの年3・11のなかで、神の愛と義について思いめぐらした。

【新刊】
『星屑のアダム』平田栄一求道俳句集4
星屑のアダム

〇「俳句は祈り」をモットーに三十有余年続けてきた句作の全貌を示します。

〇大活字なので、ご高齢の方にも読みやすい!

〇初心以来、自由律・定型と揺れながら、「求道俳句」にたどり着いていく、習作・実験作を含む祈りの軌跡。

〇本句集には、既刊三句集に採らなかった438句(最多数)を収録しました。

〇井上洋治神父の色紙画像(モノクロ)6枚を、それぞれの中扉に掲載しています。(上図参照)

〇A5版、187頁、ソフトカバー

〇定価1500円+〒180円

〇お申込みはハガキ、メールにて平田までご連絡ください。
ぜひご一読ください。

〇南無アッバの集い&平田講座(於・四谷ニコラバレ)日時9/28(土)午後1時半~。10/26(土)同、11/23(土)同

「余白の風」入会案内
*どなたでも参加できます。購読のみも可
*年六回奇数月発行 *年会費千円(送料共)
*採否主宰一任(本会の趣旨にそって添削する場合があります。)
*ブログ「南無アッバを生きる。」に掲載。
*お問合せ、入会希望は、メールにてお願いします。
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