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平田栄一求道俳句1996年全作品  

1996年12月

あくび百万回、のち絶命

予言成就の足音ナザレにて止まる

1996.11

復活の初穂となる旅路の初子いなびかり

博士に先立つ星の、よろめく大地

匿名者ら無名者を訪う夜半

初子捧げて老預言者の安楽死

緊急避難 夢のお告げの成就方

ラマの叫びカタカナ変換間に合わず

1996.10

父は子の、子は大いなるものの先駆けとならん

肉なる神を抱き上げヨゼフのそれから

体内の実は踊る 爆心へ急ぐ女たち

人世人世人世の系図を飛び出す三罪女

神へ向かう命の言(コトバ) 光は闇に勝つ

言(コトバ)は肉となり天から、否 地から恩寵

見た、聞いた、触った、テオフィロは息を呑む

また系図、を端折って神へ行く

マグニフィカト落丁乱丁取り替えます

たなびく香の行方やザカリア黙す

ザカリアの舌解けて流れて「その名はヨハネ

この世に来た光われらを虹色に染め

Fiat mihi 処女って捧げるものかしら

白木を担ぐ女 星空の疎遠

砂漠 預言者は運命を糧とする

てのひらに目のある少女まどろみぬ

1996.09

反省 ぶっちょうづらのまあるい風

よじればきしむほねのなつ

路地裏の花その花のひとつに出会う

残像 昭和のしょうもない話

ふるさと昼火事 水平線に消えた進学塾

ビル街にブーメラン飛ばす円周率割り切れました

1996.08

冷たい血が 嘘をゆるす少女で

裸身に纏う薄明 唇閉じたまま

無垢な鏡に夢魔の肉 花蕊抱き

魔羅太く撫で肩の少年塾通い

彼岸より賜る肉の温みかな

脳味噌も乳房も揺れて夜の河

匿名の祈祷書、「われ渇く」

台風一過尻の辺りに温いもの

双丘の彼方に化石(アンモナイト)手淫する

嫉妬する手脚が伸びる千日参り

交尾なき鳥類深夜徘徊す

肩に花びら紡錘形に眠りたい

弓なりに女店長晩秋失火

義姉 十戒引っ提げ柔らかに舞う

乾坤へ響く咀嚼音 食虫植物の ハレ

バーコードをなぞる指濡れて秋霜

どうしてくれるの あなたのキスで枯れた薔薇

オナン振り向く篝火のためらい

うなじから旅立つ姉妹 聖なる海へ

寝て起きてまた眠くなるスワンの恋

怒る程に朽ちていく身体です

1996.07

自然はいつもニュートラルな笑い 愛

妻のいびき押し寄せてくる白樺林

バラバラな楽章集め中也の春

愛と哀しみの相関 そのXが解けない

ぼくの今きみの今は歴史的現在

さみしいとむやみにねむくなる

1996.06

男は遠くの、女は近くの幻想を見つめる

大いなる混沌(カオス) 土塊(つちくれ)から男と女

1996.05

聖家族はいつ怒鳴ったり叱ったり白い馬小屋

接線の虎落笛 闇と光の

人と人との間 留年中退繰り返す

耳鳴り 物語を紡ぎ出す

鍵が鎖に鎖が鍵に 繋がる冬の推論

玉葱を文学するなんて マルテが嗤う

眼底に熱がある太古の海だ

夜遊びの星が泥山にかかる

1996.04

すげ替えた首転げ落ちもんじゅの知恵

うっかりすれば即破滅型の月よ月

1996.03
あの星この星へ飛ばす瀑布の精子(たま)

腐肉の勝ち誇った嗤いだ

悲しみの詩神(ミューズ)よ、今もアリアは聞こえるか

鋳型へ流す肉の半端である

首吊り研究都市の整然とした迷路である

死を少し吸込み発情する

1996.02

書きかけの遺書 闇の面を女が行く

参三が死んだがむしゃらに句をつくり

1996.01

風訛る

女の欠伸ひとつに呑まれる時間

健康な肋を鳥かすめ 朝ぼらけ

ロザリオつまぐる涙。白い指の

なんの楽器か鳴る 後頭部に鈍痛

エロ本のどれも真面目に悶える顔

耳朶へピアス 嫉妬を噛む
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