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平田栄一求道俳句1998年全作品  

1998年12月

木漏れ日を抱いてノートの白い煩悶

世の男ども!悶々とするより子に残すうたをうたえ

1998.11

書くよりも書かされたい秋夜長

今日までの、明日からの道を求めて虫の鳴く

美学も哲学もないカラス だからどうした

鈍色の鍵穴から中世を覗く

少しいかれた頭で豊作

共に死ぬ神ゆえ共に生く

野心消える程しあわせ

馬鹿馬鹿しいことの馬鹿にできない効用

1998.10

青葉ざわめく思想小説です

深いゆるし浅いゆるしと波しぶき

問いを投げ掛ける古典/答えを出したがる新刊

破滅型の月を背負って帰途に就く

1998.09

淀む嗤い赤提灯やら風やら

木の影人の影濃くなって八月十五日

朝露したたる早もみじ福音とは気づきかもしれぬ

人生が重いのはラ二ーニャのせいだろうか

人に説けぬ病状あり彼の人のまなざしは

一雨ごと緑濃くなって人間還る

まったく無理せぬ仕事とは如何に炎天下 蟻一匹 彷徨

先が見え過ぎる人生の一寸先は闇

賞賛も肩書もない大の字に寝る

昨日が転がっている今日を蹴飛ばして明日

1998.08

カラス群れなす非核都市の日食

奥廊に佇む戦争濡れしまま

1998.07

漱石読みさしてクレゾール匂う待合室

天心より慟哭 睡魔来る来る

剃毛や降る雪より密かに初音

鳥雲に透明な存在の重さかな

痔の痛む季 モモンガは消えました

顔尖らす雪夜モノクロの刑場

太古の風吹く不眠の街

身体という殻だ重い

メス化する社会、オス化する女房族

ときどきキレル生徒、毎日キレル教師

麗しき傾斜廃屋初日の出

離人症の足裏疼く夏木立

片袖たり背広まぶしき小春譚

仏具屋の灯りさやけし主おぼろ

不器用に塗られし壁の心電図

箱庭を肥やして老いたりわが祖国

透明な存在確と汝が重さ

青嵐軍靴は未生か無知なるか

生ぬるき風の隠語モザイク都市

腫物も手淫も神への反歌とす

子の性の奥に雪崩るる吾が五色

空蝉や死ねば死に切り千恵子抄

玉音を微かに聞かば声明なり

牡丹雪ゆらぎゆらぎて死を呑めり

遠雷を引き寄せ厭う人造湖

園を出で未決囚となる単性花

詠む勿れ白夜は蛇を誘わん

わが肉こそ不気味の極み冬の虹

おぼろ雲小人連なる夢浅し

1998.06

春雨に詩(うた)い出す肉(しし)ままならず

うっとり階段きしむ春の耳

天女の裾めくれ石室の大和うた

若い頃「赤い糸」/老いて「くされ縁」/死んで「因縁」

1998.05

北向きの厨に女昇天する

太古の風ゆらぎ不眠の街灯

青草に眠るナイフの体温

昭和駆け抜けて樟脳匂う

終らない日常を微分する

秋の玉てのひらに一日足る

1998.04

うつし世を水平に泳ぎ垂直に逝く

公的資金の私的導入

1998.03

秒針逆進ミサ二OOO年の井戸

梅ほころび元気な人から逝く

冬迷走 首から雷管抜こうか

雪わだち湯気上げてる残像

春風あの扉の重さが巡礼する

さえざえ雪ふる博士の欲情

透明な存在の重さよ

受験戦争できる平和な国

それなりが見えない若者/それなりに生きられない中年/それなりを死んでいく老人

1998.02

不器用にぬられた塗り壁の心音

体育館も足音も丸ごと暮れ落ちる

人生は美しい虹の放物線でありたい

寄らば大樹が倒れる

1998.01

背広の片袖落ちた麗しき男

頭上に男根 足裏の女陰 近未来から

足跡が歪んでいく旅路の夕日

生徒(こ)から生徒(こ)へ口移し無声音

子の性の奥に山川草木 箱庭とて

椅子の脚みな切られおり職員室

煩いを止めて 流れてスネークダンス

半開きの社会の窓からシャローム神

頭上より男根のびる近未来

待降節俗世の迷いは迷いとし

草枕して信仰宣言(クレド)つぶやく四十肩

善悪の彼岸の山は葛折り

人知を超え先駆ける風のモノローグ

主は近し女座りに懺悔かな

喜び踊れバーチャルはリアリティより色濃くて

感謝と願いと祈りとの隙間を埋める万葉がな

生きがいを積み重ねて生きる意味

公然と撒かれたサリン/野放しにされたダイオキシン
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