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平田栄一求道俳句1999年発表作品  

1999年12月

当局の思惑ビル風横なぐり

神経病み等圧線をなぞる蟻

1999.11

遠く近く鳴くこおろぎ悠久を這う

晩夏狂人の叫びに答え無し

虫の音も風もある校庭のダイオキシン濃度

宵闇を背に重ねる推敲祈りなり

思い詰める一事のありて残暑厳し

気の上下に人生感の右往左往

夏ばてのまま秋の教壇へよろめく

ばてぎみに秋の蚊の交尾

とってもいい子で見てきたピカソ○□

ときに直ぐな心いただいて冬へ向う勇気

1999.10

抹殺したい朝の陽炎

命ひらく 海越え 意味を超え

1999.09

片言に片言答える春の宵

伸びゆく中指の先程あいまいに初夏の暮れ

凝縮する神イエス炎天を闊歩する

スリッパに陰毛貼りつく田園調布一番地

「意味」に追われた「実存」嘔吐する

創句は壮句、また復活する

1999.08

春雨に濡れた約束終電車

機械の腹透けて向うの花曇り

学校崩壊から学校解放へ

1999.07

年末めく週末ほろほろ紅雀

長老フランシス薄口醤油の奥に棲み

聖霊降る磁場寒しリニアカー

真鍮の把手を愛でる春の修辞学

句作(つく)りては加え狂気を加え桜桃忌

いつまでも待つ冬景色たじろがず

退屈過ぎて眠れない

「情報公開」で人生を閲覧できますか?

1999.06

裏目裏目に出るカード一枚が微笑

いつまでも把手(ノブ)のつかない春のドア

無駄なく生きて死に急ぐ

体が軋む心が軋む人生の音が聞こえるか?

(-)に(-)をかけて(+)になる人生の不思議

1999.05

微苦笑するニッポンの蒙古斑

半生を素因数分解してみる彼岸かな

透明の思考を馬上で受け止める

春分越え昼夜逆転の受験子で

三寒四温静かの海の水上スキー

桜暗く菜の花暗く知事喝采

不倫死体験

1999.04

合わせ鏡の奥へ奥へと水中花

一人は灯へ一人は闇へ非核都市

尿瓶に蝿たかる五十日毎のリストラ

骨になってまで他人と比較される

1999.03

夜が紡ぎ出す歌のみずおちに溜まるを

密やかに熱き決意よ太魔羅にかかる冬の虹

黒点に真向いコンドラチェフのたおやかな波

亀鳴いてモノローグにしかならない風の微笑

押されたり笑ったり闇の物証

一芸入学 腹芸出世

1999.02

善人に傷つけられ悪人に癒される

前半生を書き上げ後半生で推敲

千人の高笑いより一人の微笑

神の話から下の話までする教師

妻の言い分 夫の言い訳

長律短律波に揺られてひと日過ぐ

ニコチン・タールO・一汝ラ愛ニ励ムベシ

病気の効用は生の実感

1999.01

予定説 木立舞い上がる空を

腹上にてあるリフレインを仕込まれる

発汗する森 死者生者交わりて

捨てられぬ見栄や病や発酵す

今日一日を凌げば今日のドストエフスキー

人の振り見てわが振り合わす

椅子の脚みな切られおり業放課

どこかで見た顔だ極楽鳥のような男

刑場に非在尖らす雪夜かな

嘔吐する斜体の美学伊達男

目覚ましや針音ぶれる離人症

北向きの厨の春に妻痩せり

柄パンや脛の伸びゆく冬日差し

風に向く体位を試してかの文体

曇天や曖昧なメスを隠し持ち

冬ざれや未決囚の肩を鳥かすめ

天心の初音を聞けば睡魔来る

剃毛や降る雪よりも密かなれ

体育館丸ごと暮れ落つ足音も

草枕してクレドつぶやく三十路かな

雪解けの街よ今宵は自重する

人類やおとつい来やがれ機械論

人間不信三日目のトランポリン

春へややダイヤルずらし念仏講

秋の風手擦れた聖書(ほん)の浮遊感

手のひらに転がす魂(たま)の寒さかな

健康な人の言い訳聴聞す

空蝉の皮下体温を笑いおり

喫茶去や足裏白し冬の陣

悪意ある晩夏よ土鳩太りすぎ

わが抱くはわが墓標なり夏の陣

ピンポンのボールの速さ去年今年
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