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平田栄一求道俳句2000年発表作品  

2000年12月

掲示板の書き込み疎ら敗戦忌

信仰語る友がないと言う友と語る秋の夜

2000.11

書き上げて崩落する枇杷の森

亡き師の声色よみがえる聖歌の波間

父の早い帰宅にロザリオ一環加える晩祷

日陰の葉は硬くもみじして読みさしの殉教史

聖書通読三回三男坊の誕生日

降るだけ降った空へ澄み渡るミサ答え

2000.10

贖罪や黄昏のネオン咆哮す

炬燵から出られぬ人参と歎異抄

面映ゆきデスマスクあり司祭館

鳴き競う虫の音アッバ南無アッバ

辺境や右脳に跳ねる山羊の群

虹かかる生死を渡るイエスかな

灯台へ長い橋揺れ蟻地獄

草叢に錆びゆく車輪逃避行

草原に死臭漂う鉄扉の間

雪明かり青き唸りは何処より

雪道を来て雪に帰る神の人

春昼やエーテルに酔う小人かな

死者に告ぐ雷鳴一つ古戦場

四十半ばの重さ軽さやのど渇く

吾れ衰え彼の人栄えアヴェ・マリア

観念的なる凡庸なる学生服百人

火葬場より発す生(せい)の通低音

火事もなく蜃気楼もなく少年跳ぶ

茜さす肩麗しき小便器

テオフィロと聴く福音や秋の風

枕辺に白いぬくもりイエスかな

モノローグより悲しい夜の携帯

2000.09

花に四月の体温 風にフラミンゴ

腹出てきたよ夏の北回帰線

不況下どしゃぶりの晴れ間に咲いた一輪

闇夜であれば音が見え色が聞こえる

ピアノの森を抜け休止符を忘れた右脳

あじさい悲しく枯れ鋭角の来光

2000.08

脚から醒め半眼で見た鶴の夢

山仰ぐ髭面に黄砂降り止まず

2000.07

緑陰の導管しずか壮年期

陽炎に揺れる花電車五月晴れ

薄明りが好き猫属の越冬

松籟に振り向く駝鳥涼しき宇宙

犬の眼で見つめる秋のさざ波

闇夜に温き風の措辞 微笑

2000.06

春、青い絵ばかり描いている少女

血が化するイエスの指に掠められ

2000.05

逡巡し<コギト>に戻る寒さかな

流木の如き闇夜を拝領す

螺旋状に赴く神も太宰さん

浮雲や気掛かりそれはそれとして

日溜まりの負圧に男眩暈かな

等身大に納まる肉を持て余す

屠場いま三界傾ぐホーホケキョ

店頭に虫干しされたる聖時間

天国へ鳥語人語を解き放ち

天を突く手や足数多第九聴く

帯電し青白きミイラ帰還せり

雪女一髪燃えて魂(たま)灯る

人知れず咲く喜びや日々草

蕉翁とイエス貫く風さやか

縦書きに戻る思想や桜桃忌

思わずも我ここにいるデカルト

黒ミサを終え双丘に月のぼる

逆しまに重力と恩寵ヒキガエル

衛星へ仕送りしたき紅葉狩る

雨脚を微分して泣くダビデ

羽虫逝き木霊を溶かし春の風

異次元の夕日へ傾ぐ都市空間

わが病歴簿(カルテ)盗み見て去る冬の暮れ

ポケットへ鬼押し込んでランナーズ・ハイ

あれこれ捨て身震う義兄の年の暮れ

神にいろいろな遊び冬枯れの風紋

鬱もなく躁もなく枯れて夕焼け

切られては笑う竹天風さやか

晴れのち曇り曙光なみなみ寄せ

譲り葉の思想剥落春霞

闇に曳くレールに傾ぐ彼岸花

2000.04

秋深き午前一時縄文の風

しまい忘れた風鈴へ三寒四温

2000.03

風止まるハンドルのないバイク

白い河床に跳ね返る命の量感

泣き止んだ月浴びて帰る

汽笛に震える窓や暁の嗚咽

うつらうつら鳥影そして疾風

イエス静かに歩む篠懸の森

2000.02

風去りぬまた一つ季が動く

ゆずり葉いつもどこか病んでいる

2000.01

冬瓜煮ても焼いてもボーナス減

人の思いをこえて救いはユダの冬

神を待つ木が季を待つように

心の振り子止まず青年立待岬へ

やすやすと信じられる日もある秋の星影

キンギョ逝く水は致死量の透明度
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