「南無アッバ」を生きる ホーム » 求道詩歌誌「余白の風」 »求道詩歌誌「余白の風」第185号 2011年5月発行

日本人にわかるキリスト教を求めて

26May2012+011_convert_20120623181132_20120623222548.jpg井上洋治神父は、遠藤周作氏と共に、日本人の感性で正直に受けとめられるキリスト教を一生をかけて模索し、1986年「風の家」をはじめました。このサイトでは、「風の家」運動を引き継ぐ平田栄一が「求道俳句」ほか、日本人キリスト者の道を模索する試みを紹介していきます。お問い合わせ 略歴 著書

求道詩歌誌「余白の風」第185号 2011年5月発行  

日本人の心の琴線にふれるイエスの顔を求め、福音を生きる

会員作品とエッセイ(*主宰コメント)

練馬区  魚住るみ子

南無アッバ生きのびし祖母と孫いたいけな文字にママにあいたい

汚染され出荷停止を告げられしみどりの野菜南無アッバ

父母を子らを津波に奪われた人々に希望の光を

よき便り束なすあした朝ポインセチア

ねんごろに手仕事仕舞ふ夜寒かな

*①~③短歌とすれば長音節が一句、五音節になっている。そのことでかえって切羽詰った感が出ている。


名古屋市  片岡惇子

慟哭の隙間に舞いし桜かな

我が胸に余震続きて桜散る

木瓜の花優しくなりて母の墓

 ヨハネ二十章
新緑や「空の墓」捨て南無アッバ

*④「空の墓」は視覚的に何の保証も無い所からの信仰を問う象徴のようだ。


大和市  佐藤悦子

放射能汚染の列島悲しけれ ゆるしたまえよ南無南無アッバ

ご復活まごころ結ぶ支援の環

被災地の老木梅は咲きにけり

*①神義論あるいは人災か天災かという議論より、自分の至らなさに、まず頭を下げる姿勢。


豊田市 佐藤淡丘

主に死んで復活の日の曙光かな

囀りのほどよき御座は天のもの

鶯や後頭で聴く垂るるごと

囀りの届けとばかり白みゆく

真一文字一花となりて散り急ぐ

マザー・テレサでさえ、「自分自身を知るとひざまずきたいような気持ちになります」とおっしゃって、まさに謙虚さを実感をこめて教えて下さいます。仏教用語でも「五体投地」という言葉があるように、毎朝私の秘密の場所(会神の丘)でこれを実行しています。南無アッバを三回唱え、心の底から「この小さな私をあなたにおまかせいたします」と周りを気にしないで大きな声で祈り、神さまのお恵みを独り占めして悦に入っています。どうぞお笑い下さい。南無アッバ。

*具体的に声を出して祈る、あるいは「南無アッバ」と書いてみる。そうして少しずつ身に付く祈り。


京都市  瀧野悦子

病みて知る南無の心や受難週

もし仮に地震に命が果てたならお救い下さい南無南無アッバ

釣銭をそっと募金の箱に入れ頭垂れつつ被災地思ふ

信号に待つ間の息を整へてめでたし唱ふ心の中で

*井上神父は、祈りや信ずることも悲愛の行為だと説いています。仏教も「心身一如」といいます。


稲城市  石川れい子

復活祭企業戦士の受洗かな

緋と白と桃いろ咲かす木瓜一本

ベランダに君が化身か黄蝶舞ふ

てふてふに妃の顔がほころべり

九十六迎へし母や夏近し

*今年の復活祭はまれにみる遅さ。しかし、震災復興にようやく動き出したこの時期にふさわしい。


秦野市  長谷川末子

つつじ石南花咲き初めて/おだまき薊藤の花/緋牡丹どうだん棕櫚の花/青葉若葉に新樹光//地震津波に放射能/日本の悲しみ誰も彼も/老いの嘆きは胸をうつ/母が子供が海の中/夫を捜す虚な眼/アルバム捜す人もいる/住いも常の生活も/すべて失う人々に重荷を今ぞ分け合おう//十分過ぎる御恵みに/忘れた事の大きさを/忘れた事の大きさに

あやめが咲いて花水木/初夏の若葉が匂ひます/大地震の傷深く/何であろうと担うべく/とうに覚悟は出来ている/一人一人の思いは深い/長い付き合い致します/せめて償いを負わせて下さい/神様どうか護って下さい。

*人を責めるより、自らの姿勢を正し、共に泣き、重荷を担おうという姿勢に頭が下がります。


蓮田市  平田栄一

夥しき鴉の集う雪のなか加須市志多見の信号は立つ

三日三晩大魚の腹にいたというヨナの如くに昏々と眠る


寄贈誌より

 「日矢」五五五号  新堀邦司

もつ鍋に一期の酒を愉めり

よく食べておしゃべりをして春隣

聖鐘のかく晴れやかに春の空

「井上神父の言葉に出会う」(12)講座ノート
――――――――――――――――――――
*入会案内は本ブログサイドバー参照

category: 求道詩歌誌「余白の風」

thread: 求道詩歌

janre: 学問・文化・芸術

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://yohaku5.blog6.fc2.com/tb.php/1721-21c7a8fd
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

講座・南無アッバの集い

求道詩歌誌「余白の風」

最後の南無アッバミサ

カテゴリ

全記事表示リンク

▲ Pagetop