「南無アッバ」を生きる ホーム » スポンサー広告 » 求道詩歌誌「余白の風」 »求道詩歌誌「余白の風」第184号 2011年4月発行

日本人にわかるキリスト教を求めて

26May2012+011_convert_20120623181132_20120623222548.jpg井上洋治神父は、遠藤周作氏と共に、日本人の感性で正直に受けとめられるキリスト教を一生をかけて模索し、1986年「風の家」をはじめました。このサイトでは、「風の家」運動を引き継ぐ平田栄一が「求道俳句」ほか、日本人キリスト者の道を模索する試みを紹介していきます。お問い合わせ 略歴 著書

スポンサーサイト  

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

category: スポンサー広告

tb: --   cm: --

求道詩歌誌「余白の風」第184号 2011年4月発行  

日本人の心の琴線にふれるイエスの顔を求め、福音を生きる

会員作品とエッセイ

八王子市  フランシスカ井上
目貼りまだ剥げずに続く四旬節
四十は楽しみを待つ数字だね
災害に素っ気なく聞く花だより
星空を仰ぎ被災へ南無アッバ
被災地へ祈るローソク灯す度

*東日本大震災で亡くなられた方は、今日(四月三日)時点で、一万二〇〇〇人を超えました。行方不明の方も数知れず。心よりお見舞い申し上げます。教会は四旬節只中、こういうときこそ、十字架のイエス様の思いを黙想したいと思います。世を挙げての節電・自粛ムード。金銭的援助だけでなく、キリスト者・求道者としてできることを考えたいと思います。


アッバ讃句    練馬区  魚住るみ子
南無アッバ身仕舞すませたまものの老いの一日の健やかになむ
一八三号冒頭の石川れい子さんの、きびしい現実を静かに安らかに受け入れられるあつい信仰に深く感銘、胸を打たれました。

  祈る
つくよみ月読のやや赤らみてかげ光濁る地上の修羅を嘆きたまふか
佇ちつくし映像に見る春悪夢漁船がおか陸へ流され上がる
停電をまぬがれかこむ夕餉の卓老いびとわれのなし得るは何
工事場の二基クレーン失せぬ急ぎゆく北への道働きを祈る

*大きな災害や苦難が襲うとき、信者や求道者のなかで度々問題にされるのが、神義論=神は全能・善なる方であるにもかかわらず、なぜこの世には悪や苦しみが耐えないのか=です。そんなとき、せめて南無の心を思い起こしたいものです。


名古屋市  片岡惇子
活断層生死の境すみれ咲く
犬ふぐり小さなのぞみ掌に遊ぶ
白木蓮純潔過ぎて刺となり
紫木蓮ぼったり起きて辻説法
幼子の蹴りたる宙に春の雲

*「生死の境」で咲く「すみれ」。どんな悲惨な状況の中にも、次なる希望を抱かす小さな兆候が芽生えている。そう信じて南無アッバ。


大和市  佐藤悦子
大津波に襲われし街南無アッバ 少年と祖母生命かがやく
避難所に子らの笑顔よ南無アッバ 助け合う人希望灯せり
ウグイスのさえずり渡る南無アッバ お告げの聖母祈りたまえよ

*「いつでも、どこでもロザリオ」と言ったのは永井隆だったでしょうか。彼は今の原子力禍を天国でどう見ておられるでしょう。しかし私たちには「南無アッバ」があります。よくても悪くても唱え続ける。


豊田市 佐藤淡丘
公園のスワンボートや水温む
冴返る駅舎の柱人も無く
結び目の解けんとして春の昼
綾取りの指も春めく得意顔
春水の堰堤に出て水平ら

 此の度、東チモールに「日本カトリック宣教者会」より派遣、五年の任期を了え帰って来た娘が所属教会での報告会で、次のようなテーマを掲げ、途上国での支援のあり方について述べました。(身内のことですみません。)
 テーマは、「おしえない」「あたえない」「おしつけない」の三つのワードでした。具体的な支援の中身は、初歩の衛生教育(マラリア・下痢の予防)と環境整備(トイレ作り)だったのですが、結局は住民の「気づき」と「自己啓発」しかない、との結論に達したようです。物を与えたこれまでの援助が、いかに一過性に終ったかを考えさせる一コマでもありました。

*欧米のボランティアでは”Give a man a fish, and he’ll eat for a day. Teach a man to fish, and he’ll eat forever. ”というルールがよくいわれるそうですが、お嬢様の体験ではそれも考えもの=「おしえない」ということですね。いかに気づいてもらえるか・・・・難しいところです。


一宮市  西川珪子
被災地にとどけよ神の深き愛
部屋寒し空気震はすない地震の余波
師の墓の隅にやさしき土筆出づ
人生の余白に生きて摘む土筆
田を鋤きて地面あらたになりにけり

 災害に遭われ命を亡くされた方々のご冥福と被災者の方々の心の慰め、そして一日も早い復興を心よりお祈り致します。南無南無アッバ!南無アッバ

*こういうとき「神の深き愛」を感じ取るのは、ほんとうに難しいこと。あまりに大きな被害を前に、お見舞いの言葉さえ憚られることがある。「風の家の祈り」を思います。「アッバ、利己主義に汚れている私たちの心をあなたの悲愛の息吹きで洗い清めてください。・・・・(次*に続く)


稲城市  石川れい子
鳥曇いきなり津波つぎつぎと
鳥曇ひろばの太鼓こだませり
迫り来る次元上昇鳥曇

二〇一一年三月十一日、十四時四十六分、東北・関東太平洋沿岸大震災は、マグニチュード九・〇という国内最大の巨大地震でした。主宰はじめ井上洋治神父様、会員の皆様は如何でしたか。
 
*・・・・御子イエスが、深い哀しみと痛みを背負って、重い人生を歩んでいた人たちの心を映しとり、受け入れ、友として生きられたように、私たちにもそのような人々の心を映しとれる友の心をお与えください。」悲愛=アガペーとは、まず人の痛みを「映しとる」心。
(訂正とお詫び:前月号石川さんの④句「スーツに」×→「スーツの」○)


秦野市  長谷川末子
雀の子群立つ親の後を追ふ
携帯もパソコンもなし春の風
目を寄せる菜畑の赤いチューリップ

    桜
蕾は萌黄/萌黄がふくらんだ/桜が咲いたよ
*私も最近まで「携帯」がなかったのですが、長男の九州転勤、三男の大学進学等々で、ついに持ってしまいました。なければないですみますが、あればあったで便利という代物。


蓮田市  平田栄一
夕焼けに染まれば人も木も犬も浄土に生まれん疑いもなく
NHK第二ラジオを風呂場にて聴く癖つきたり今年の冬は

    問い
 なぜ人間は(ときとして悪人より善人が)/苦しまなければならないのか?/なぜ病気がなくならないのか? こうした不条理に/だれも簡単に答えることはできません。/もしこの種の問題に、あたかも理路整然とした/即答を用意している宗教や哲学があるとすれば、/それに対して、わたしたちは直感的に/警戒心を持つものです。//それはおそらく、こうした問いが/常にわたしたちの身近にありながらも、/どこか人間の分際を超えたところから、/問おうとするわたしたちが/むしろ問われている、といった/主客逆転の性格を持つものだからではないでしょうか。(拙著『人の思いをこえて』)

寄贈誌より

「日矢」五五四号         新堀邦司
子に余生あづけて日向ぼこりかな
出産の祝を述べし初電話
おねしよの布団干されてゐたる二日かな

 世代交代は寂しさと祝福の混ざるもの。アッバの懐のなかでは、共に生かされる道。
---------------
南無アッバの集い・井上神父の言葉に出会う(第十二回)四月三十日(土)午後一時三〇分:四谷ニコラバレ
---------------
「バルトと蕎麦の花」を読む(4):平田栄一
(前号から、新堀著「名牧師のこと」続き)
<「それに人情がいい、長野県人というと何か理屈っぽい人という感じを与えるが、ここの人はちがう。とても素朴で、人当たりがいい。雪国の自然に従順に生きている。その生き方がとてもいい」
ふだんお世辞などいわないこの人から、こうした褒め言葉を聞くと、こちらまでほのぼのとさせられてしまう。いたって訥弁なのに、影山牧師の言葉には、聞く人をよい気持ちにさせてしまう魅力がある。「雪国の自然に従順に生きている」という表現には詩のような響があった。現に、影山牧師は歌人である。「信濃村伝道所」は蕎麦畑の中にある小さな教会である。それもあってか、これまで詠んだ短歌の中では蕎麦の花を題材にした作品が多い。

家の前に蕎麦の畑あり夕べ行けば花あかりせり幽かにゆれて
白き蝶蕎麦の畑に湧き出でて白き花群に又紛れ入る

これらはだいぶ前の短歌だが、近詠に次のような作品がある。

蕎麦畑に通う風ありひとところ花群ゆらしまた移りゆく

蕎麦の花は地味だが味わいがある。満月の夜など、幽かに白く広がる蕎麦の花畑に立つと、幻想的な世界に誘われるようだという。私が、見る花よりも食べる蕎麦の方がいいといったら、「おらが庵」という名の蕎麦屋に案内してくれたことがあった。>(『野尻湖物語』九四~九五頁、つづく)
――――――――――――――――――――
*入会案内は本ブログサイドバー参照

category: 求道詩歌誌「余白の風」

thread: 求道詩歌

janre: 学問・文化・芸術

tb: 0   cm: 0

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://yohaku5.blog6.fc2.com/tb.php/1704-c3329948
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

講座・南無アッバの集い

求道詩歌誌「余白の風」

最後の南無アッバミサ

カテゴリ

全記事表示リンク

▲ Pagetop

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。