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日本人にわかるキリスト教を求めて

26May2012+011_convert_20120623181132_20120623222548.jpg井上洋治神父は、遠藤周作氏と共に、日本人の感性で正直に受けとめられるキリスト教を一生をかけて模索し、1986年「風の家」をはじめました。このサイトでは、「風の家」運動を引き継ぐ平田栄一が「求道俳句」ほか、日本人キリスト者の道を模索する試みを紹介していきます。お問い合わせ 略歴 著書

第4回四谷講座ノート 2010-7-24  

1.前回まで
井上神学の一特徴としての体験主義・実践主義――青年時代、ハンセン病院慰問体験――ルカ18によるリヨン回心体験、26歳――実践指導書としての聖書――理性知と体験知――ベルクソンの影響大――ゼノンの逆理・アキレスと亀

2.アンリ・ベルグソン

(1)出会い
『余白の旅』「白い道」より――東京大空襲3/10家消失→終戦時、津久井(現・神奈川県相模原市津久井町-八王子より奥の山村)母の実家。

 中学上級からニヒリズム-戦争より生の無意味感-原子の海の小さな塊としての人生or波打ち際の砂粒←科学信仰からの恐怖だった-楽しみに無関係に凄まじい「無意味な灰色の原子の大海の大津波」

 代々庄屋、豪華な門構え、離れ借りる一家、従兄弟の本好き、三畳いっぱいの本、『時間と自由』(岩波文庫)-ベルグソン(30歳の著作)との出会い、「自由」二文字に飛びつく、「砂漠でオアシス」「救助隊の明かり」――井上自殺留まる、恩人。「因果律」的思考の呪縛からの救い。

その他の主著『創造的進化』、『物質と記憶』(1896)難解、『道徳と宗教の二源泉』『笑い』
「風」76号では、出会いの後つぎのようにいう。P.42 【開く】
ベルグソンの(「形而上学入門」によると)

(2)対象の二つの捉え方
A.「分析」的方法:要素還元論、総合→科学(記号による固定化、対象の周囲を巡るのみ、相対的)
B.「直観」的方法:直接、内側に、内から全体へ(無媒介的に事物に入る。その意味で絶対的認識。)意識は直観によってのみ認識しうる。

例として:腕を動かす――外から腕の動きを見る=A方法。だが自分の腕を動かす=B方法。
バレリーナやパリのスナップ写真、死んだ魚。

CF:西田幾多郎の「純粋経験」とどう違うか?『善の研究』巻頭ページ――認識以前「反省による規定が加わる以前の直接的経験」(岩波哲学)

人生は無意味な原子の海でなく、希望に満ちている、と19歳「よし!生きよう」(TV)。
『時間と自由』原題は「意識の直接所与に関する試論――(新訳)「意識に直接与えられたもの(とは時間や自由のこと)についての試論」――訳文を通して働くアッバに御業。

(新訳「訳者あとがき」によると、このタイトルは、1910年英訳するときにつけられた。しかし、訳者は「ベルクソンと緊密に連絡を取り合いながら訳語を推敲した」らしいから、本人もタイトル納得していたろう、私見。)
「風」76号後半は、科学信仰に抗って「美しいキリスト」にかけたドストエフスキーの話と自分を対比している。
なぜそこまでベルクソンに惚れたか、さらに、考えてみます。

(以下、『西洋哲学史』(有斐閣叢書)第10章より)
(3)「生の哲学」
の系譜に属す――歴史的には、19C末期から20世紀の第一次世界大戦前後、ヘーゲルなど汎論理主義のドイツ観念論=実在を理性・概念のみで把握しようとする=への反発から出た。――Lebensphilophie=人間生命・生活・人生についての哲学。それは、ソクラテス(B.C470-399)の「汝自身を知れ」に繋がる哲学的人間学――自己探求、自己省察など。――(私見)井上はキリスト教に出会う前から、こうした人生論的哲学に惹かれた。青年期の興味関心は「持続」すると思う。

(現象学とともに)特性は、
①反合理主義 ②反啓蒙主義 ③反理性主義 ④反科学主義
したがって、非合理主義・ロマン主義・神秘主義(ベルグソン自身カトリック傾倒へ)さらに、民族主義・歴史主義・文学活動を背景。

但し、理性否定でなく、より根源の生をみつめる。→体験・直観重視――ここですでに井上神学につながる。安易な演繹的理解、普遍的原理に統合しようとする誘惑を排除、個々の民族、個々の生のダイナミズムを重視――井上師の日本人重視に通じる――他民族の神学も大切に。さいたま教区多国籍教会めざす・・・

―――ここまで第4回―――

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