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善いサマリア人  

三番目の話をします。第三福音書『ルカによる福音書』一〇章からです。

25)すると、ある律法の専門家が立ち上がり、イエスを試そうとして言った。「先生、何をしたら、永遠の命を受け継ぐことができるでしょうか。」
26)イエスが、「律法には何と書いてあるか。あなたはそれをどう読んでいるか」と言われると、
27)彼は答えた。「『心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい、また、隣人を自分のように愛しなさい』とあります。」
28)イエスは言われた。「正しい答えだ。それを実行しなさい。そうすれば命が得られる。」
29)しかし、彼は自分を正当化しようとして、「では、わたしの隣人とはだれですか」と言った。
30)イエスはお答えになった。「ある人がエルサレムからエリコへ下って行く途中、追いはぎに襲われた。追いはぎはその人の服をはぎ取り、殴りつけ、半殺しにしたまま立ち去った。
31)ある祭司がたまたまその道を下って来たが、その人を見ると、道の向こう側を通って行った。
32)同じように、レビ人もその場所にやって来たが、その人を見ると、道の向こう側を通って行った。
33)ところが、旅をしていたあるサマリア人は、そばに来ると、その人を見て憐れに思い、
34)近寄って傷に油とぶどう酒を注ぎ、包帯をして、自分のろばに乗せ、宿屋に連れて行って介抱した。
35)そして、翌日になると、デナリオン銀貨二枚を取り出し、宿屋の主人に渡して言った。『この人を介抱してください。費用がもっとかかったら、帰りがけに払います。』
36)さて、あなたはこの三人の中で、だれが追いはぎに襲われた人の隣人になったと思うか。」
37)律法の専門家は言った。「その人を助けた人です。」そこで、イエスは言われた。「行って、あなたも同じようにしなさい。」

この「善いサマリア人」のたとえのなかで、「律法の専門家」は、「何をしたら、永遠の命を受け継ぐことができるでしょうか」と、イエスに聞きます。
この問い、第一話の「金持ちの男」と同じだね。第二話「喫茶去」の「修行僧」たちとも共通する。
ところがこの問いに対してイエスは、「金持ちの男」のときとは、ちょっと違う態度をとるんだね。
「金持ちの男」のときは、イエスの方から「『殺すな、姦淫するな・・・・』という掟をあなたは知っているはずだ」(マルコ一〇・一九)と言った。
でも今度は、本人に答えさせている、「律法には何と書いてあるか。あなたはそれをどう読んでいるか」と。
それで「律法の専門家」から返ってきた答えは、「心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい、また、隣人を自分のように愛しなさい。」
そしてイエスは、それを「正しい答えだ」と肯定する。
ここで、おや?って思わない?
「金持ちの男」には、「永遠の命を受け継ぐには、」「殺すな、姦淫するな・・・・」と答えておいて、今度はちがうじゃないかと。
ここが第一の疑問。これをどう考えればいいのか。

いま問題にしている「善いサマリア人」のたとえは、『ルカによる福音書』にしかのっていないんだけど、実はそれに近い話が、『マルコによる福音書』と『マタイによる福音書』に載っています。
『マルコによる福音書』一二章と『マタイによる福音書』二二章です。
それで『マタイによる福音書』にはこう書いてある。

<34ファリサイ派の人々は、イエスがサドカイ派の人々を言い込められたと聞いて、一緒に集まった。35そのうちの一人、律法の専門家が、イエスを試そうとして尋ねた。36「先生、律法の中で、どの掟が最も重要でしょうか。」37イエスは言われた。「『心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』38これが最も重要な第一の掟である。39第二も、これと同じように重要である。『隣人を自分のように愛しなさい。』 40律法全体と預言者は、この二つの掟に基づいている。」>

 この文脈では、すべての掟が、神を愛し、隣人を愛する、という二つ、というか一つの掟に集約されるんだ、とはっきり書かれているね。
 福音書以外で新約聖書に収められているパウロの書簡にも、こう書かれています。

<互いに愛し合うことのほかは、だれに対しても借りがあってはなりません。人を愛する者は、律法を全うしているのです。「姦淫するな、殺すな、盗むな、むさぼるな」、そのほかどんな掟があっても、「隣人を自分のように愛しなさい」という言葉に要約されます。愛は隣人に悪を行いません。だから、愛は律法を全うするものです。>(『ローマの信徒への手紙』一三・八~一〇)

 だから、「金持ちの男」のときにイエスが答えたモーセの十戒も、当然この「愛」という一点に集約されているわけです。
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