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第157号-09年01月-2.作品とおたより(*主宰寸感)新堀邦司  

一万歩あるくと決めて天高し

さからわず生きて風船葛かな

秋夜長素粒子論のなにやかや

ハロウィーンのかぼちゃを飾り秋の夜

猪鍋を囲み男の業深し

(「日矢」五二七・五二八号より)

主の聖名を賛美いたします。
年もおしせまり、新しい年を迎える準備で、何かとお忙しく過ごされていることと存じます。
先日は「余白の風」をお送り下さりありがとうございました。いつも、たのしく読ませていただいております。

第一五六号に掲載されている句の中で、次の作品がとても印象に残りました。いずれもすばらしい句です。

秋立ちてA5サイズの思考かな  栄一

羊雲西へ西へと聖心祭

ひとりと思う一人にあらずペトロ祭

晩学の苦楽や天のからし種

ゆるされてタガのはずれし猛暑かな


 どの句もリズム感がとてもよいと思います。
 少し前に、井上洋治神父のご著書『イエスの福音にたたずむ』を読みました。魂の奥底にまでしみ通るすばらしいメッセージです。読んでいて不思議な安心感を覚えました。

寛やかで、穏やかで、柔らかで、とても温かな神様の愛に全身が包まれるような有難い思いで一杯になりました。「南無アッバ」。よい言葉です。神様への信頼を表わすには、まことにふさわしい言葉だと思います。

 井上神父様のご著書を読むと、私の魂は寧らかになり、聖霊に満たされます。神様の懐に抱かれているような安心感を覚えます。

 ところで、「南無アッバ」という言葉を目にすると、何故か私は、シャンソン歌手のエディット・ピアフのことを思い浮かべます。ピアフが歌う「私の神様」という歌声が聞こえてきます。ピアフは不世出の歌手ですが、奔放な生涯を送った人でした。

許されぬ恋に身を焦がし、酒に溺れ、薬漬けとなり、心身をボロボロにしてしまった、罪多き女性でした。けれども、どんなにボロボロになっても、最後の最後には神様を呼び求め、大きな懐へと帰っていった。

幼子のような純な信仰を持っていた女性だった。そのことをみごとに歌いあげているのが「私の神様」です。この歌を聴いていると、信仰とは何か、がわかってくるように思えます。信仰とは、神への絶対的な信頼です。

「南無アッバ」の叫びです。ピアフは、この歌で、神への全幅の信頼をみごとに唄いあげています。

 神への全幅の信頼、喜びも苦しみも悲しみも、すべてを神様に委ねてその懐に安らう。私はピアフの純な信仰に惹かれます。

 アウグスチヌスは『告白』で「あなたは、確かに、私たちをあなた自身に向けて創りたもうたので、私たちの心はあなたのなかにいこうまでは、安きを得ないのである」(第一巻・第一章)と述べていますが、ピアフの歌はまさにそれをうたっています。

 私はプロテスタントですが、時々、信仰のあり方を反省することがあります。それは、神との対話に重きを置くあまり、時として言葉に頼りすぎ、理屈っぽく、頭でっかちな信仰になってはいまいか、という反省です。

神様を信頼しているならば、理屈っぽくならないで、大きな光の中に、奥深い懐の中に無心で飛び込み、素直な心で恩寵を受け取った方がよいのではないか。

カトリックの人々の神への信頼の深さ、信仰の深さに学ぶべきかもしれません。イエスが神に寄せた「アッバ、父よ」の全幅の信頼こそが信仰のお手本である。

井上神父様のご著書から、ピアフの歌から、大切なことを教えていただきました。

 平田様へのお礼に、私の属する俳句結社「日矢」(日矢)の一月号を贈らせていただきます。

 私は、ここに至って、ようやく俳句を作るのがたのしくなってきました。日々の哀歓、折々の信仰の思いを俳句に托して今年も歩んでいこうと願っております。


*右、新堀先生からの私信に、さらに加筆していただいたお手紙を、載せさせていただきました。先生は、わたし(余白)が先年出した本の書評を書いてくださったことがご縁で、お付き合い頂いている方です。

「南無アッバ」の心を的確に言い当てて下っていること、感銘いたしました。以下、「日矢」一月号から、山崎房子氏の邦司句評を紹介します。

<  猪鍋を囲み男の業深し  邦司

「女の業」はよく使われる言葉だ。仏教がいいはじめたとどこかで読んだ気がする。

 たぶん男たちとだろう、猪の鍋を囲みながら、作者は男の業の深さに思いが到ったのである。
 どういうのが男の業なのか、読者は一瞬立ちどまる。

「男の業」と詠んだのが、男性自身であるのが面白く、「猪鍋」と「男の業」には納得できるものがある。>
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