「南無アッバ」を生きる ホーム »鈴木大拙『妙好人』
カテゴリー「鈴木大拙『妙好人』」の記事一覧

浄土真宗における「機法」  

機=こちら 凡夫 人
法=あちら 仏  神

向うから来るしか何も出来ないことを才市は、
「名号が当る」
<アッバの主導性に類比>

または、
「南無(機)がわたしで阿弥陀(法)が親で、これが親子の南無阿弥陀仏」
<神人の父子関係、アッバの親近性に類比>

また
「なむあみだぶはみだのいき(息)、わたしや、あなたのいきに、とられて、なむあみだぶつ」という。
<神の主体性と聖霊(プネウマ)=おみ風さま>

機が全く法に摂取せられる。
しかし機は無にならず、「ざんぎ」「かんぎ」慈悲を感じる。
機法は「一即多・多即一」――才市の体験的自覚
(~p.50)


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thread: スピリチュアル

janre: 心と身体

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ねんぶつが「あたる」  

「このさいちも、きものも、・・・・
せかいにあるもの、みなごをんで、できました。」

「あさましや」→「ごをん」への容易ならぬ転換

自分より大きな、強い、慈悲深いものに抱き取られ、
意志・知性で押えつけられぬものが、才市の心底に動く
→60冊の覚帳
<創作の原点:自ずから湧き出るものを、素直に書き取る>

「わしが、ねんぶつを、となゑるじゃない、
ねんぶつの、ほをから、わしのこころにあたる、ねんぶつ。
なむあみだぶつ。」

「あたる」:彼の境地をみごとに写し得ている。
<妙な言い回しに、創作者の真実が出てくる>
~p.49


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janre: 学問・文化・芸術

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罪業深重、地獄必定--宗教意識の深まり  

才市、18,9歳より、父ほか地元の人らの影響でお寺詣り始める。

宗教意識の深まりとともに、人生の不安も強まる。
――真宗では「罪業深重、地獄必定」として迫る。
地獄極楽が現在に頭出頭没

20~50歳30年間の才市の罪業感「あさまし」「じやけん」で表現
60歳頃「覚帳」開始か

懺悔は道徳感ではなく、自分の力で超えられぬものがある、という告白
<キリスト教の告解の意味にも通じようか>

ままならぬものをそのままでありがたく受容せられる時節がある
(p.47まで)


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2 倫理から宗教は出ない  

霊性的自覚は人生について真剣な反省をした者だけに開ける。

機械的、模倣的、抽象的、欧米近代化に対し、創造的、芸術的世界――才一の霊性的自覚

才市プロフィール:昭和7年83歳で死去。島根県石見小浜の人。50歳まで船大工、のち履物屋。
父も「法義もの」、真宗盛んな土地、宗教的環境・遺伝。
才市お寺詣りの契機は、賭博で警察にあげられたこと、という。
大拙は否定、才市には元来宗教的心理型あり――家庭

人間倫理の矛盾性、神がキリストになって人間を救ったこと、弥陀の誓願の永劫性、すべて人間存在・宇宙存在の根源的罪業から出発

倫理から宗教は出ない。
才市の30年に渉る精神的苦闘の根本は、人間そのものの存在にある。たんに倫理性ではないことを強調

<才市の生涯は、日本的霊性の自覚として、誇るべきものがあるが、その根本はわれわれ共通の人間的矛盾にある。>(p.43まで)


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二 妙好人と日本的霊性的なるもの 1  

第二次大戦以上の世界戦争の心配

科学技術・物質的思索は、人間を抽象的・理性的に見る。
人間の霊性は、抽象・理性では捉えられない。

新たな全体主義の、より強い台頭か
→個の内面・霊性は顧みられない。

集団は、共通の抽象性を強調
→物質重視→宗教軽視
あるいは、救済事業・「隣人愛」を高唱
=宗教の倫理面強調<物足りぬ大拙>
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9 「一 妙好人」所感  

9(p.37)

以上、妙好人の輪郭了得。

以下、実例として、浅原才市の自由詩紹介


<此処までの所感:

一気に本書「その一」を楽しく読ませていただいた。

鈴木大拙の文体は、時代的で硬いが、それがあるいは、

妙好人という稀有な市井人の柔軟性を語るとき、

相俟って味わい深いものになっている。
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8 妙好人の世界的貢献  

8(P.36)

世界国民としての日本の他力宗の寄与として

妙好人を産出する偉大な霊性的創造力を世界に進出させよ。

対近代文化批判:

人間性の外殻破るに無能、その相対性、

物質生産面の底流汲み取れぬ、

今後の文化への無計画性


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7 妙好人は皆詩人  

7(p.31)

妙好人は、よく所信を文字に表わす

字が書けなくても、表現衝動あり

「信心の喜びは、口に筆に出なければ承知できぬ、これが人間である。」

<これはうれしいヒント!

われら求道詩歌人の創作動機となる

――意識的、作為的伝道でなく、信心の自然発露めざすべき>

例:森ひな

「○となへるしようみよう、われがとおもうた、

そうでなかつた、みだのよびごえ、

ああ、ありがたい、なむあみだぶつ。」

――どのような他力宗信者も口にするところ

<聖霊によらなければ、だれも「イエスは主である」とは言えないのです。(Iコリント12・3)

神の子とする霊によって、わたしたちは、「アッバ、父よ」と呼ぶのです。(ローマ8・15)

神が、「アッバ、父よ」と叫ぶ御子の霊を、わたしたちの心に送ってくださった(ガラテヤ4・6)

――まったく同じ心ではないか。>
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6 妙好人と神がかり  

6(p.29)

妙好人と秘事法門の流れ同じ

しかし他力信心の獲得は唯識論的転依現象であり、

心理的変態――宗教的準備ないと「狐つき」「神がかり」になってしまう危険。


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4-5 「教行信証」系と「歎異抄」系  

4(p.24)

他力教の長所:妙好人を育てたこと

受動的「ありがたさ」だけでなく、

禅者以上に酒酒落落、

哲学者以上の宇宙観

栃平ふじ「この茶の中にも三千世界」ほか

小川チエの歌・・・損と儲け:絶対矛盾の自己同一



5(p.26)

浄土真宗の二主流

1.「教行信証」系・・・・学者としての良心:伝統思想で正当化、知性的・論理的

2.「歎異抄」「和讃」「消息集」系・・・・「借り物」の漢文ではなく、普段着の日用の言葉で中からのまま率直に語る

主体的経験、ありのまま、赤裸々の吐く

和讃:まだ飾りもの、文学的工作

歎異抄:最も的確に表現・・・・他力宗経典の最高
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